現在クラリネットを製造しているメーカーは約15社もあります。国はフランスやドイツ、イタリアなど様々です。その中から、日本で最も手に入りやすいメーカーを3つご紹介します。
◆ヤマハ(日本)
創業者山葉寅楠(1851-1916)が、静岡県浜松市で1台の壊れたオルガンの修理をきっかけにして創業を開始。ヤマハのロゴマークは3本の音叉で「技術」「製造」「販売」の3部門の強い協力体制を表すとともに、音叉に象徴される音・音楽を中心に世界(外円)にのびゆくヤマハのたくましい生命力を表しています。また、音楽の基本である「メロディー」「ハーモニー」「リズム」の調和という意味もこめられています。(ヤマハウェブサイトより)
【入門おすすめ機種】YCL-650(¥215,000税別)、YCL-450(¥155,000税別)
◆ビュッフェ・クランポン(フランス)
1825年、フランスの楽器職人ドゥニ・ビュッフェ=オージェはパリ第2区のパッサージュ・デュ・グラン・セルフに自らの工房を立ち上げました。ドゥニの息子であるジャン=ルイ・ビュッフェが、1836年にゾエ・クランポン嬢と結婚したことで、のちに広く名を知られる〈ビュッフェ・クランポン〉ブランドが誕生しました。(クランポンウェブサイトより)
【入門おすすめ機種】E12F(¥195,000税別)、E11(¥135,000税別)
◆セルマー・パリ(フランス)
1885年アンリ・セルマーがセルマー・パリ社を創業し、リードとマウスピースの生産を開始。パリのプラス・ダンクールに工房を構える。1906年、アンリの弟アレクサンドルがニューヨークに会社を設立し、セルマー・パリ社のクラリネットの販売を開始。これが、後のセルマーU.S.A社となる。(セルマー・パリウェブサイトより)
【入門おすすめ機種】Prologue(¥270,000税別)
◆結局どれを選んだらいいの?
正直、入門モデルはどれも強い個性はなく、鳴らしやすさを重視して作られているように感じますから、あとは価格や木目の美しさ(見た目)などで選んでいいと思います。最近は管体の色が真っ黒ではなく、よく見ると木目を生かした少し茶色っぽい色をした管体のものが増えてきているように思います。
ウィーン・フィルやベルリン・フィルなどヨーロッパの奏者が使っている楽器はドイツ管エーラー式といって、上記のメーカーや日本で多く広まっているフランス管ベーム式とは大きく異なるシステムです。そういった楽器を求めるとなると、取り扱う楽器店がかなり限られており、価格もぐんと上がります。使うリードやリガチャーも違い、かなりマニアックな話になってきますので、初心者にはおすすめしません。
実際私は今ドイツのH.Wurlitzerの楽器を吹いていますが、小学生で楽器を初めて買ってもらったの時はヤマハの入門モデルでした。その後、高校生になってクランポンのR13Vintageに乗り換え、音大に入ってから今の楽器に替えました。
このように、上達してきて「もっとこういう音が出したい」という方向性が見えてきたら前の楽器を下取りに出しつつ上位モデルに乗り換えていけばいいので、とくに楽器や奏者に対する強い憧れやこだわりがないのであれば、はじめは10~20万円代で買える入門モデル(スチューデントモデル)がおすすめです。
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